きもの用語辞典 

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・めいせん [銘仙]
絹織物の一つ。江戸時代末期に、関東地方の養蚕地帯で、くず糸や玉糸を素材に自家用として織った。太織りから転じたものである。関東の伊勢崎、足利、秩父、八王子などが主な産地で、丈夫で安価という大衆性から、戦前までは女性の衣生活の中心的存在になり、特に伊勢崎銘仙の絣柄は有名である。
     
・めいぶつぎれ [名物裂]     
足利義政らが収集した書画、工芸品、いわゆる東山御物を大名物(おおめいぶつ)と称するのをはじめ、茶道の世界では価値の高い茶道具を名物といって珍重する。茶道の発展に伴い、名物茶器とともに大茶人ゆかりの裂類についても名物の資格が与えられるに至った。これを名物裂と称して日本各地の茶人によって収集され今日まで保存されて、当時の織物を知るうえで今や世界的に貴重なコレクションとなっている。名物裂は緞子(どんす)をはじめ金襴(きんらん)、銀襴、間道(かんとう)、更紗(さらさ)、金紗(きんしゃ)など十数品種、三百数十種が数えられているが、厳密に定まったものではない。ほとんどすべてが舶載品であるが、製織地は中国、中央アジア、西アジア、南アジアと多岐にわたっている。
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・めいろ [目色]
文様のある染織品の、地色に対して文様の部分の色のことをいう。
   
・めおとじま [夫婦縞]
経に黒糸、緯に黒と白との色を切り替えにして織ったもの。
   
・めくらじま [盲縞]
タテ、ヨコ共に正藍染の糸を使った手織の紺木綿で無地に織り上がる先染めの織物を粋に名付けたもの。
     
・めだし [目出し]
織り見本のこと。
  
・めづけ [目付、匁付]
絹織物の精練後の重さを匁(もんめ)で表すもの。匁をグラムに直すには、4で割って15倍する。グラムを匁に直すには4倍して15で割る。200匁は750gということ。
     
・めひき [目引]
下染や先染に対し、目的の色を得るために、一旦染揚げした後に色掛けすることをいう。
   
・メリンス
梳毛(そもう)織物の一種。メリノ種の羊毛で織ったことからの呼び名で、関東地方で多く用いられた名称。薄地の平織、または斜文織の布。着尺地、子供の帯地。長襦袢などに用いられた、モスリンの旧称。
   
・めゆい [目結]
絞り染めのうち巻絞りの一種。鹿の子絞りに相当する染色法で、その巻絞りの部分が目の形に染残されるため、このように呼ばれる。
  
・めんこうばい [綿紅梅]
木綿織物のひとつ。薄手の地に太目の糸を織り込む事で、縞状や格子状の凹凸を
表したもの。
   
・めんしじら [綿しじら]
綿織物の一種で、夏物の素材として使用されるもので、綿縮に似た肌触りをもち、産地では徳島県の阿波しじらが有名です。服地のサッカーと呼ばれる生地がこの織り方です。
     
・めんちぢみ [綿縮]
綿の縮織りの総称。緯(よこ)に強撚(きょうねん)綿糸を織り込んで糊抜き、精練をして、しぼ(縮みによる細かい凹凸)をあらわしたものである。
   
・めんろ [綿絽]
木綿で織った絽。
 

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この用語集は日本繊維新聞社「新語服に強くなる本」アシェット婦人画報社「きもの用語事典」等から引用しています。