きもの用語辞典 

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・ろ/ろおり [絽絽織

「捩子織」(もじり=経糸または緯糸をよじらせて隙間を作った織物)の一種で、縦の方向に絽間(絽目)があるものを「経絽」、横にあるものを「横路」、両方に四角形を作るものを「角目絽」と称するが普通横絽が多い。また絽目を作る普通の糸の何本目にくるかその本数によって七本絽・三本絽などと呼ぶ。強撚糸(駒撚り糸)を用いたものを「駒絽」といい「壁糸」を用いたものを「壁絽」というが、紋付などには「平織」の「七本平絽」、また着尺や訪問着などには三本駒絽が多く使用される。いずれも盛夏のものである。産地は新潟県五泉市が大部分で、石川県の大聖寺、岐阜などでも一部生産されている。
   
・ろうかくさんすいもん [楼閣山水文)
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・ろうけち [﨟纈]

古代染色法の一つ。正倉院に収蔵されている纐纈(こうけち)(絞り染)、きょう纈(きょうけち)(板絞り染)ともに三纈の一つである。布に蠟で模様を描き、染色後に蠟を取り除く技法。現在の蠟染めと同じである。

  

・ろうけつぞめ [ロウケツ染]

ロウを加熱し溶かしたものを、筆や刷毛を用いて布に模様を描く。また、布面に伏糊のようにロウを固着させて、染料液の浸入を防いで、模様染をする方法などがある。この方法を用いて、色を重ねていけば、味わい深い独特の色調が表現される。ロウの種類には、パラフィン・ミツロウ・木ロウなどがある。ローケツ染の発祥地はインドといわれ、ペルシャ・エジプト・南方の島国・中国などのさまざまな国を経て日本に伝わり、歴史は古く、ジャワ更紗はその代表的なものとなる。日本では、天平の三纈の中の1つ、 纈の名で呼ばれ、正倉院蔵に残されている。
    

・ろうぼうせん [蠟防染]

防染法の一つ。布を伸子張りや枠などに張り、これに溶かした蠟で種々の模様を描いて、染料がにじみ込むのを防ぐ。蠟けつ染に応用される技法である。友禅染は、のりで模様を描いて防染する糊防染である。
  

・ろきんしゃ [絽錦紗]

「絽織」で、地(絽目以外の部分)が「錦紗」風または「縮緬」風に縮れた感じとなっているものをいう。「壁糸」を使用した「壁絽」もこの類である。染め上げて夏の紋付羽織や「小紋染」「友禅染」に、白で下着や長襦袢に使用する。絽縮緬は「反」仕上げ、壁絽は「疋」仕上げて取引される。時に絽縮緬に八丈物(32メートル)があり、これは羽織三枚分(各2丈6尺=約10メートル)となる。

   
・ろぐうっど  ログウッド
植物染料の1つ。マメ科の常緑高木でメキシコが原生国。樹木の幹から浸出(しんしゅつ)するヘマトキシリンを主成分に形成している。黒色を染める時に、媒染剤を用いて、使用される。
     
・ろくつう [六通]

帯全体の6割ほどが、柄つけされている帯のことをいい、六尺通しともいう。

  
・ろこうちゃ [路考茶]
暗い黄色に青みを帯びた色。歌舞伎役者の二代目瀬川路考は用いて流行した色。
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・ろさし [絽刺し]

刺繍技法のひとつ。絽の透けた目(絽目)を利用して、絽目一段、または数段に糸を刺して模様を表す技法。江戸時代に、京都の公家により考案されたもので、帯地、袋物、小物入れなどの表地に用いられている。糸は特別な絽刺し糸を用いる。
  

・ろちりめん [絽縮緬]

縮緬の一種。普通の縮緬地の中に、搦み(からみ)織の組織を入れて、隙間を織り出したもの。夏季用の染下生地として広く用いられている。平路や駒絽よりもやや厚手のため、絽縮緬は単と薄物の中間に着るとされた。現在は、着用時期が広がる傾向にある。
   

・ろつづれ [絽綴れ]

女帯地の一つ。絽織の地に、綴れ織の技法で模様を織り出した、高級夏帯地である。
   

・ろめ [絽目]

絽織の中に現れる透き間の呼称。三本絽、五本絽、などの呼び名は、絽目と絽目の間の緯糸の本数による名称である。

   

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