日本の色名には、固有の伝統的な色の名前が、数多くあります。どの色も、名前をきくだけで、不思議とイメージが浮かんできます。
美しさの微妙な違いを、的確にとらえ楽しむ、日本人の繊細な感覚を、それらの名前から知ることがでます。

   
  江戸紫(えどむらさき)
  
  

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えどむらさき

えどむらさき 
  
16進表記【#5b3970】
RGB(91, 57, 112)
 




ムラサキ科の多年草に「ムラサキ」という名の植物があります。この「ムラサキ」ですが、根は太く、昔から染料として利用されて来ました。江戸時代には、武蔵野地方特産だったこともあって、この「ムラサキ」の根で染めた色(紺色がかった紫)を「江戸紫」と言って、江戸っ子に珍重されたそうです。 この紫染めは、井の頭の湧水を源とする神田川の水で染め上げたもので、18世紀末には江戸の特産品にまでなったということです。

古来より賛美されてきた紫色ですが、後世になると色調が地域によって分裂し、それを区別するために江戸紫、京紫という2つの色名が生まれました。紫草は『伊勢物語』の昔から、武蔵野のシンボルであったことから、紫は江戸の色と強調し、粋な江戸っ子の美意識を象徴する色が江戸紫です。一般に青味のものが江戸紫、赤味のものが京紫といわれます。

歌舞伎の助六の鉢巻が典型的な江戸紫であり、「江戸紫に京鹿子」などと賛美されました。また、紫根染の伝統的な紫を「古代紫」や「京紫」というのに対して、江戸時代に多用された蘇芳染(紫とはいっても紫根は使わず主に藍と蘇芳で染めていた)による冴えた紫を「今紫」や「江戸紫」といいます。一般的には江戸紫のほうが好まれたようです。

  
 
 

   
   

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きものは意外と柔軟性に富んでいます
帯だけでなく、帯〆や帯揚げ、かさね衿を変えるだけで、印象はおどろくほど変わります。
同じ色のきものなのに、明るく見えたり、おちついたり・・・・・・・。

着物を楽しむとき、いつもあたまを悩ませるのが、着物と帯や小物のコーディネート、というお話をよく耳にします。そんな時、むかし着物は普段着だったことを考え、自分なりのコーディネートでいいんだという思いにいたれば、お悩みは解決下も同然。そして、少しだけ色あわせになれてくれば、もっと楽しく着物が着れるようになるでしょう。

その日の気分や、お出かけの場所など、あなたのセンスのみせどころ・・・!?
でも、ちょっと自信のない方は、下の特集を参考にして、あなただけのコーディネートを
見つけてみてはいかが。
   
  

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  大人のピンク術 私に似合うピンクみつけた
   
 私ににあう自分色のピンクを見つけたい、大人のピンク。
   
   

【牡丹系の色】

  

牡丹系

ピンクの中でも最も存在感のある牡丹色。赤紫がにあうのは、大胆にして優雅さをそなえたタイプ。成熟した華やかさを漂わせ、色に負けない強さを秘めています。

帯揚げと帯の色

上が帯揚げ下が帯の色

上が帯揚げ下が帯の色

 
   
   

【薔薇系の色】

  

薔薇系

女性的な甘さと、男性的な活発さを両方持ったタイプ。周囲にも好感をもたれる方で、甘さを含んだ華やかな色が似合います。

上が帯揚げ下が帯の色

上が帯揚げ下が帯の色

 
   
   

【秋桜系の色】

  

秋桜系

秋桜色の中でも透明感のある色。楚々とした淡い色合いに似合う白い肌を持ち、爽やかな印象できものを着こなす品格をもった方です。

上が帯揚げ下が帯の色

上が帯揚げ下が帯の色

 
   
   

【秋桜系の色】

  

秋桜系

もう一つの秋桜色は、赤みを帯びた華やかさをもつ色です。素直で親しみやすく几帳面、優しい秋桜色で、常に周囲を和ませる方です。

上が帯揚げ下が帯の色

上が帯揚げ下が帯の色

 
   
   

【梅系の色】

  

梅系

一見、甘い色ですが、この色が似合うのはクールで理知的なタイプ。持ち前のさっぱりとした印象できれいを着こなします。

上が帯揚げ下が帯の色

上が帯揚げ下が帯の色

 
   
   

【桜系の色】

  

桜系

効率的に物事を運ぶ右脳派でありながら、目立つことは好まず控えめな印象を与えます。透明感のあるピンクを選んで、エレガントかつモダンな装いを。

上が帯揚げ下が帯の色

上が帯揚げ下が帯の色

 
   
 

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この記事は世界文化社 「婦人画報2007春」から引用しています