日本の色名には、固有の伝統的な色の名前が、数多くあります。どの色も、名前をきくだけで、不思議とイメージが浮かんできます。
美しさの微妙な違いを、的確にとらえ楽しむ、日本人の繊細な感覚を、それらの名前から知ることがでます。

   
  深川鼠(ふかがわねず)
  
  

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ふかがわねず

ふかがわねず
  
16進表記【#97a791】
RGB(151, 167, 145)
 





薄い浅葱色を鼠がからせた色。緑みの明るい灰色に用いられます。江戸時代後期に狂歌で活躍した大田南畝(蜀山人)は『手鏡模様節用』の中で、「みなと鼠。此ころ流行して“深川鼠(ふかがわねず)”といふ」と書き記しています。

江戸深川は明暦の大火後に、富岡八幡宮を中心に岡場所の享楽街を生みました。その遊郭の芸者は辰巳芸者と呼ばれ、意気と侠気を売り物にし、ある意味、文化の中心地だったとされています。江戸でも粋とされた深川界隈でその辰巳(深川)芸者が好んだ色がこの深川鼠でした。それが江戸庶民の間でも流行しました。幕府による奢侈禁止令がたびたび出された江戸のまちでは、鼠色は“粋な色”として重用されました。

大阪の湊村でつくられていた、壁や襖の腰貼りに使われた湊紙に似ていることから、湊(みなと)鼠とよばれていましたが、深川芸者の間で流行ったことから、深川鼠とよばれるようになりました。深川鼠は湊鼠の江戸での俗称でした。

火事の多かった江戸では、「灰」ということばそのものが疎んじられ、鼠色という表わし方をしたという説もあります。川にちなんだ鼠色はこれ以外にも鴨川鼠、淀鼠などがあります。

  
 
 

   
   

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きものは意外と柔軟性に富んでいます
帯だけでなく、帯〆や帯揚げ、かさね衿を変えるだけで、印象はおどろくほど変わります。
同じ色のきものなのに、明るく見えたり、おちついたり・・・・・・・。

着物を楽しむとき、いつもあたまを悩ませるのが、着物と帯や小物のコーディネート、というお話をよく耳にします。そんな時、むかし着物は普段着だったことを考え、自分なりのコーディネートでいいんだという思いにいたれば、お悩みは解決下も同然。そして、少しだけ色あわせになれてくれば、もっと楽しく着物が着れるようになるでしょう。

その日の気分や、お出かけの場所など、あなたのセンスのみせどころ・・・!?
でも、ちょっと自信のない方は、下の特集を参考にして、あなただけのコーディネートを
見つけてみてはいかが。
   
  

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  大人のピンク術 私に似合うピンクみつけた
   
 私ににあう自分色のピンクを見つけたい、大人のピンク。
   
   

【牡丹系の色】

  

牡丹系

ピンクの中でも最も存在感のある牡丹色。赤紫がにあうのは、大胆にして優雅さをそなえたタイプ。成熟した華やかさを漂わせ、色に負けない強さを秘めています。

帯揚げと帯の色

上が帯揚げ下が帯の色

上が帯揚げ下が帯の色

 
   
   

【薔薇系の色】

  

薔薇系

女性的な甘さと、男性的な活発さを両方持ったタイプ。周囲にも好感をもたれる方で、甘さを含んだ華やかな色が似合います。

上が帯揚げ下が帯の色

上が帯揚げ下が帯の色

 
   
   

【秋桜系の色】

  

秋桜系

秋桜色の中でも透明感のある色。楚々とした淡い色合いに似合う白い肌を持ち、爽やかな印象できものを着こなす品格をもった方です。

上が帯揚げ下が帯の色

上が帯揚げ下が帯の色

 
   
   

【秋桜系の色】

  

秋桜系

もう一つの秋桜色は、赤みを帯びた華やかさをもつ色です。素直で親しみやすく几帳面、優しい秋桜色で、常に周囲を和ませる方です。

上が帯揚げ下が帯の色

上が帯揚げ下が帯の色

 
   
   

【梅系の色】

  

梅系

一見、甘い色ですが、この色が似合うのはクールで理知的なタイプ。持ち前のさっぱりとした印象できれいを着こなします。

上が帯揚げ下が帯の色

上が帯揚げ下が帯の色

 
   
   

【桜系の色】

  

桜系

効率的に物事を運ぶ右脳派でありながら、目立つことは好まず控えめな印象を与えます。透明感のあるピンクを選んで、エレガントかつモダンな装いを。

上が帯揚げ下が帯の色

上が帯揚げ下が帯の色

 
   
 

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この記事は世界文化社 「婦人画報2007春」から引用しています