日本の伝統型紙 植物文様
 
   (あおい)
     
二葉葵の葉を文様化したもの。形や組み合わせにより立葵、葵巴、葵唐草などがあり、着物や帯に広く用いられます。紋章も多く、二葉葵は京都の上賀茂神社の神文とされ、三葉葵は徳川家の紋所として有名です。江戸時代には葵文の使用は厳禁されていました。
     

葵

双葉葵

双葉葵

双葉葵

双葉葵

双葉葵

双葉葵

双葉葵

双葉葵

 

 

 

 

 

双葉葵に三ツ星散らし

双葉葵の七宝繋ぎ

葵に菊

葵唐草に桜

流水に葵

双葉葵に三ツ星散らし

双葉葵の七宝繋ぎ

葵に菊

葵唐草に桜

流水に葵

     

双葉葵に菊

    

双葉葵に菊

    
    

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「日本の文様染めの型紙」 熊谷博人/編 クレオ/出版 2006.10 より引用しています。

 
  秋野 (あきの)
     
菊、薄、萩、楓などを組み合わせて秋の野の風景を意匠化したものです。中でも薄の緩やかな曲線は文様全体を一体化し、秋の趣向を一層深めるものになっています。
     

露芝

櫟林

秋野

秋野の菊萩

草花散しに琴柱

露芝

櫟林(くぬぎばやし)

秋野

秋野の菊萩

草花散しに琴柱

 

 

 

 

 

吹寄せ

吹寄せ

吹寄せ

吹寄せ

吹寄せ

吹寄せ

吹寄せ

吹寄せ

吹寄せ

     

吹寄せ

    

吹寄せ

    
    

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「日本の文様染めの型紙」 熊谷博人/編 クレオ/出版 2006.10 より引用しています。

 
  銀杏 (いちょう)
     
秋には見事に黄金色に染まり、実は食するおなじみの大樹ですが、木はもとより扇面形をした独特の葉も、きものの文様にされることは以外に少なく、めずらしいといえます。ただし、紋章には様々に変化してその種類は多く、馴染み深い文様です。
     

組銀杏

銀杏

銀杏

落銀杏

落銀杏

組銀杏

銀杏

銀杏

落銀杏

落銀杏

 

 

 

 

 

四つ銀杏

 

 

 

 

四つ銀杏

    
    

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「日本の文様染めの型紙」 熊谷博人/編 クレオ/出版 2006.10 より引用しています。

 
   (うめ)
     
植物文のうちでも梅は古来、日本人に最も親しまれ、文様としても取り入れられてきました。奈良時代に中国から伝えられた梅は、その愛らしい花の姿、独特の幹や枝ぶり、寒中に漂う芳香から、万葉集にも数多く歌われ、菅原道真の「飛梅」伝説、謡曲「鉢の木」など逸話も多い。文様としては絵巻や浮世絵のほか器物や屋内装飾にと多彩に表現されている。
     

梅

梅

梅

梅

二重梅

二重梅

 

 

 

 

 

二重梅

角梅

角梅

網代に捻梅

重ね梅 

二重梅

角梅

角梅

網代に捻梅

重ね梅

     

重ね梅

梅の花吹雪

梅松桜

梅鉢に松葉

枝梅

重ね梅

梅の花吹雪

梅松桜

梅鉢に松葉

枝梅

     

梅菱

松葉梅

氷梅

捻梅

梅菱

松葉梅

氷梅

氷梅

捻梅

     

二重梅に切竹

紅白梅

槍梅

梅の縞

老梅

二重梅に切竹

紅白梅

槍梅

梅の縞

老梅

    

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「日本の文様染めの型紙」 熊谷博人/編 クレオ/出版 2006.10 より引用しています。

 
  沢瀉 (おもだか)
     
沢瀉は水田や池、沼などに自生する多年草で、葉脈が高くなっているので、面高の名があります。独特の葉形と可憐な花が、平安時代頃から文様化されて、愛用されました。家紋としても用いられています。現在でも友禅染などによく使われます。
     

沢瀉

沢瀉

 

 

 

沢瀉

沢瀉

   
    

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「日本の文様染めの型紙」 熊谷博人/編 クレオ/出版 2006.10 より引用しています。

 
   (かえで)
     
紅葉文とも呼ばれています。春の花見、秋の紅葉狩りと遊興の主題になっているように、日本人の季節感の道しるべとなるものです。葉の色とともに形のおもしろさも手伝って、桃山時代以降、代表的な植物文となりました。鹿や流水との組み合わせも多数見受けられます。
     

楓

楓

楓

楓

松皮菱に楓

松皮菱に楓

 

 

 

 

 

霰に楓

菊楓

霰斜縞に楓・雪笹

 

 

霰に楓

菊楓

霰斜縞に楓・雪笹

  
    

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「日本の文様染めの型紙」 熊谷博人/編 クレオ/出版 2006.10 より引用しています。

 
   (かしわ)
     
柏の大きな葉は昔から食物を盛る器に用いられたり、神事にも用いられるなど、身近なものでした。柏は剛毅な気質を象徴的に表したところから、武士に好まれ、武具の文様にも用いられました。
     

柏

柏

柏

鮫三つ柏

鮫鬼柏

鮫三つ柏

鮫鬼柏

 

 

 

 

 

結び柏

三つ柏

三つ柏

柏の格子

抱き柏 

結び柏

三つ柏

三つ柏

柏の格子

抱き柏

    

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「日本の文様染めの型紙」 熊谷博人/編 クレオ/出版 2006.10 より引用しています。

 
  唐草 (からくさ)
     
蔓草〈つるくさ〉の蔓や葉がからみ合って曲線を描いていく文様で、果実をあしらったものもあります。世界的に古くから見られる文様で、古代エジプト・メソポタミアに幾何学的な印象の強いものが残されています。日本には、中国を経て伝えられ、葡萄唐草〈ぶどうからくさ〉・牡丹〈ぼたん〉唐草・菊唐草などがあります。
     

霰唐草

地落ち唐草

梅唐草

梅唐草

花唐草

霰唐草

地落ち唐草

梅唐草

梅唐草

花唐草

 

 

 

 

 

花唐草

菊唐草

鉄線唐草

  

花唐草

菊唐草

鉄線唐草

  
    

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「日本の文様染めの型紙」 熊谷博人/編 クレオ/出版 2006.10 より引用しています。

 
  桔梗 (ききょう)
     
桔梗は秋の七草の一つで、古来歌に詠まれ、絵画の題材や文様として愛好されてきました。尾形光琳の「秋草文蒔絵小袖」に描かれるなど、広く用いられています。桔梗紫とよぶほど、その色が美しいため、夏の訪問着や小紋、帯などに用いられ、家紋にもあります。
     

桔梗

桔梗

桔梗

押合桔梗

八重桔梗

桔梗

桔梗

桔梗

押合桔梗

八重桔梗

 

 

 

 

 

桔梗鐶

芝草に桔梗

菱桔梗

  

桔梗鐶

芝草に桔梗

菱桔梗

  
    

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「日本の文様染めの型紙」 熊谷博人/編 クレオ/出版 2006.10 より引用しています。

 
   (きく)
     
中国では仙化といわれ、薬の力を持つ花とされ、日本には奈良時代から平安時代にかけて渡来しました。姿、色、香が優れているため多くの絵画や工芸品の題材にされてきました。陰暦九月九日の重陽の節句には菊の露と香を移した菊のきせ綿で体をぬぐって延命長寿を願う行事があります。秋の花ではありますが、文様は古典的な吉祥文様として広く好まれ、着物の柄にも季節を問わず多用されます。流水や籬(まがき)と組み合わせたり、万寿菊など、姿形も様々に文様化されています。皇室の御紋となっています。
     

十六菊に霰

十六菊

十六菊

重ね十六菊

重ね捻菊

十六菊に霰

十六菊

十六菊

重ね十六菊

重ね捻菊

 

 

 

 

 

小菊

小菊

小菊

小菊

菊

小菊

小菊

小菊

小菊

     

菊

菊

菊

菊

菊

     

菊

菊

菊

万寿菊

万寿菊に松

万寿菊

万寿菊に松

     

万寿菊

獅子毛菊

狢菊に桜

小菊蝶

菊十

万寿菊

獅子毛菊

狢菊に桜

小菊蝶

菊十

     

菊丸

菊丸

菊に霰

乱菊

乱菊

菊丸

菊丸

菊に霰

乱菊

乱菊

     

狢菊

変わり七宝に菊

捻菊唐草

菊唐草

菊唐草

狢菊

変わり七宝に菊

捻菊唐草

菊唐草

菊唐草

     

霰に菊小花

流水に菊

菊水

巻水に菊

菊に小花

霰に菊小花

流水に菊

菊水

巻水に菊

菊に小花

     

吹寄せ小菊

菊蝶

菊楓

菊に蝶

菊尽くし

吹寄せ小菊

菊蝶

菊楓

菊に蝶

菊尽くし

     

菊桐唐草

    

菊桐唐草

    
    

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「日本の文様染めの型紙」 熊谷博人/編 クレオ/出版 2006.10 より引用しています。

 
   (きり)
     
桐は中国では鳳凰のすむ木として尊ばれ、日本でも菊とともに皇室の紋とされてきました。桐の文様は通常三枚の葉に三房の花をつけて表現します。中の房に七花、左右に五花を付けたものを五七の桐といい、同じく中央に五つ、左右に三つ付けたものを五三の桐といいます。ほかに花を伸ばして変化をつけた華やかな踊り桐もあります。天皇専用とされた桐竹鳳凰紋の黄櫨染袍(こうろぜんぽう)や、名物裂の大内桐金襴に見られるように格調高い文様として使われました。現代でも家紋のほか、代表的な吉祥文様として祝儀のきものや袋帯に用いられています。
     

桐

桐

桐

輪桐

輪桐詰め

輪桐

輪桐詰め

 

 

 

 

 

並び桐

角桐

桐菊

桐唐草

 桐唐草

並び桐

角桐

桐菊

桐唐草

桐唐草

     

踊り桐に菊

桐の縞

桐の縞

花桐

松桐繋ぎ

踊り桐に菊

桐の縞

桐の縞

花桐

松桐繋ぎ

    

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「日本の文様染めの型紙」 熊谷博人/編 クレオ/出版 2006.10 より引用しています。

 
  小花 (こばな)
     
小さな花柄を前面に配した文様のことをいいます。花の形は写実的なものや、ちゅうしょうてきなものなどさまざまです。季節を問わない文様が多くあります。
     

小花

小花

小花

小花

小花

小花

小花

小花

小花

小花

 

 

 

 

 

小花

よろけ縞に小花

変わり山道に小花

 

 

小花

よろけ縞に小花

変わり山道に小花

  
    

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「日本の文様染めの型紙」 熊谷博人/編 クレオ/出版 2006.10 より引用しています。

 
   (さくら)
     
桜は古くから、どの時代にも愛されてきましたが、紋様に表されるようになったのは、平安時代ごろです。代表的な春の花ですが、最近では、写実的な紋様の着物以外は、季節を問わず着るようになりました。大胆に図案化された桜の振袖などは、春に限らず着られます。
     

小桜

桜吹雪

桜

桜

桜

小桜

桜吹雪

     

桜に琴柱

八重桜

桜に早蕨

桜に梅

捻桜

桜に琴柱

八重桜

桜に早蕨

桜に梅

捻桜

     

桜

四つ桜

桜の重ね

角桜

落桜

四つ桜

桜の重ね

角桜

落桜

     

落桜

桜に鐶

青海波菱格子に桜

桜菱格子

吉野川

落桜

桜に鐶

青海波菱格子に桜

桜菱格子

吉野川

     

吉野川

花筏

花ぐもり

紋入り桜

 

吉野川

花筏

花ぐもり

紋入り桜

 
    

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「日本の文様染めの型紙」 熊谷博人/編 クレオ/出版 2006.10 より引用しています。

 
  早蕨 (さわらび)
     
蕨は早春に早蕨(さわらび)という、拳状に巻いた新芽を出します。その姿は万葉集にも詠まれ、紋章にも図案化されています。わらびとともに、開いた羊歯状の葉は、春の草花と一緒に描いて、野のさまを写すこともあります。中年向きの帯の文様などになっています。
     

早蕨

早蕨

早蕨に笹

蕨の束

蕨手繋ぎに花

早蕨

早蕨

早蕨に笹

蕨の束

蕨手繋ぎに花

    

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「日本の文様染めの型紙」 熊谷博人/編 クレオ/出版 2006.10 より引用しています。

 
  羊歯 (しだ)
     
正月飾りに使う、羊歯類の中の裏白は長寿や一家繁栄を表すおめでたいものとされ、形の面白さから平安時代に紋様化されました。歯朶文とも書きます。甲冑や刀剣などに用いられ、家紋にも見られますが、現代の訪問着や小紋、帯などにも使われています。
     

忍草に蕨と団扇

羊歯

羊歯

羊歯

羊歯

忍草に扇と団扇

羊歯

羊歯

羊歯

羊歯

     
    

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「日本の文様染めの型紙」 熊谷博人/編 クレオ/出版 2006.10 より引用しています。