名物裂の文様 青木間道 (あおきかんとう) 赤縞入 【間道】
 
大名物「志野丸壷」の仕服に用いられる。類裂は多く、青木・高木・伊藤・弥兵衛間道は曖昧で確定しがたい。青木間道の名は豊臣秀吉の家臣、青木重直の所持とも、青木紀伊守一矩の所持とも伝えらるがよくわかっていない。茶・黄・紺・白の均等の縞で全体に黒茶味を帯びている。写真は一筋、赤の竪縞が入ったもの。
 
  
この記事は淡交社発行の茶の裂名鑑他を引用しています。
  
  名物裂の文様 浅葱地紗綾形菊唐草文綾  (あさぎじさやがたきくからくさもんあや) 【金襴】
 
浅葱色の地に紗綾形(型紙図鑑を参照)を置き、そのうえに一重蔓の聞く牡丹唐草を表した文様です。
 
  
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  名物裂の文様 浅黄地一重蔓小牡丹之金襴  (あさぎじひとえづるこぼたんのきんらん) 【金襴】
 
全面に一重蔓の小牡丹唐草文を織り出し、その間に宝尽くしや五弁花、霊芝などを散らした図柄。大黒屋金襴など類似する裂は多く、牡丹花文の大きさや一重蔓や二重蔓の違いにより、名称が異なる。
 
  
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  名物裂の文様 朝倉間道 (あさくらかんとう) 【間道】

 
福井県に関係した武将の名前が付く裂です。越前・戦国大名朝倉義景(一五三三~七三)所持の大名物「朝倉文琳茶入」(本能寺または三日月文琳ともいう)の仕服に本歌となる裂が用いられている。この裂は遠州の好み裂としてこの茶入に添えられたと伝えられる。
この間道は赤茶地に藍、白交互の横縞と白の竪縞が格子に織り出された部分、白地に赤茶の横縞の部分、赤茶地に白の横縞に部分などからなっている。
 
  
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  名物裂の文様 雨龍間道 (あまりゅうかんとう) 【間道】

 
架空の霊獣を文様にしている。ほかの竜のように角がなく、尾は細く、濁水に棲んで水霊とされている。水中に500年を経て蚊龍となり、竜巻を起こして天に昇る時、初めて角を生じ、鋭い爪も生え、四足に迫力が生まれる。この勢いの良いめでたい龍を文様に表したものである。画像は本歌で、この他に同じ文様で数種の色の織変えたものがあるが、いずれも同じ名称である。
 
  
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  名物裂の文様 荒磯金襴 (あらいそきんらん) 【金襴】

 
荒磯とは、岩の多い荒波の打ち寄せる海辺を意味するが、波に踊る鯉の姿を荒磯と見立てたもので、波頭の立つ波の間を泳ぎ回る魚を表した図柄。荒磯の名を持つ裂には、金襴のほか、風通・緞子などがある。
 
  
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  名物裂の文様 荒磯純子 (あらいそどんす) 【緞子】

 
「アリソ」とも呼ばれるこの裂の魚は、鯉に似た淡水魚。名物裂のなかでも角倉金襴と双璧を成す裂で、織物の欠点である「ハツリ」を最大限に活用した優れもの。地を三枚綾、文を変化六枚繻子の変わり組織にしており厳密には緞子とはいえないが、古来緞子の扱いを受けている。中興名物「大津茶入」「春慶文琳茶入」「高取腰蓑」などの仕服に用いられている。
 
  
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  名物裂の文様 有栖川馬文 (ありすがわうまもん) 【錦】

 
加賀前田家伝来の著名な有栖川錦の一つ。長方形を隅切りにした八角の窓を織り出し、その中に馬文を、周囲に七曜星と雲の文様を配したもの。
 
  
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  名物裂の文様 有栖川鹿文 (ありすがわしかもん) 【錦】

 
名称は有栖川宮家伝来の錦に由来するといわれるが、定かでない。多彩な色彩を用い、直線的な幾何学文様風に意匠をまとめている。。鹿文様は幾何学紋様の枠内に、薄赤茶・白・緑などで地と鹿を織り出したもの。この鹿文のほか、馬、雲竜が著名である。いずれも前田家に伝来して、そのいずれもが本歌とされている。室町末期から桃山期にかけて舶載されたものである。
この裂の他の名物裂と異なる点は、いずれも文様を直線的な表現で織り出している。洗練された配色と文様、乱れの見えない巧みな織技、これがこの裂のポイントともいえる。他の裂のような、古典風趣とはまったく違った、近代的感覚に満ちた文様と、色彩は現代人のセンスに相通じるものがある。
 
  
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  名物裂の文様 有栖川龍文緞子  (ありすがわりゅうもんどんす) 【緞子】

 
有栖川錦は、鹿、馬、龍文が著名ですが、その龍文を緞子織で表現した裂。直線的な龍文を取り囲むように、同じく直線的な表現の大小の雲文を織り出したもの。
 
  
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  名物裂の文様 安楽庵牡丹唐草金襴  (あんらくあんぼたんからくさきんらん) 【金襴】

 
安楽庵とは、安土桃山から江戸時代初期の僧侶で茶人の安楽庵策伝(さくでん)のことで、その策伝の所持の袈裟の金襴裂にちなむ名称です。入子菱の地に、二重蔓の唐草と牡丹の花を配したもの。類裂が多く、宝尽し紋のものが多い。『古今名物類聚』には、安楽庵として紺金地木瓜雨龍紋、柿色金地一重蔓大牡丹、浅黄色金地木瓜折枝紋、浅黄金地雲龍紋、萌黄地瓦燈竜紋などを載せている。
 
  
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  名物裂の文様 石畳金襴 (いしだたみきんらん) 【金襴】

 
大徳寺創建の際の帷に、萌黄地に石畳文を表し、宝尽しと卍字と球点を織り出した「宝入石畳文様金襴」を用いたところから、「大徳寺金襴」とも称される。大徳寺金襴を参照。
 
  
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  名物裂の文様 いちご裂錦覆盆子手錦(いちごぎれにしき・いちごでにしき) 【錦】

 
普通の錦よりやや厚手の木綿地に白、藍、緑、黄などの絹糸で長円形の十二弁の花文様を織り出し、織留の部分には同色の絹糸で装飾的段文様を織出したもので、この花文をいちご(苺・覆盆子)に見立てたものがこの名称の由来である。数種見受けられるが、前田家伝来の通称「菊いちご」が著名である。
 
  
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  名物裂の文様 井筒屋裂 (いづつやぎれ) 【緞子】

 
大きさの変わらない正三角形の鱗文を裂一面に規則正しく敷き詰めた図柄。ちなみに名物裂の井筒屋金襴は、萌黄地に大小の鱗文で構成される図柄という。他に錆朱のものもある。井筒屋十右衛門の所持に因む名名称。大名物「山の井肩衝茶入」、中興名物「潮路庵茶入」「翁茶入」の仕服に用いられる。
 
  
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  名物裂の文様 伊藤間道 (いとう かんとう) 【間道】

 
博多の伊藤小左衛門が明より持ち帰ったことによりこの名があるといわれています。
 
  
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  名物裂の文様 糸巻金襴 (いとまききんらん) 【金襴】

 
古今名物類聚(ここんめいぶつるいじゅう)による。</a />
 
  

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  名物裂の文様 糸屋裂 (いとやぎれ) 【風通】

 
算崩しに輪宝文様風通とも、糸屋輪宝ともいわれるが、一般的には千利休の門人の糸屋宗有が愛憎したため、子の名がついたといわれる。網代地紋に転輪聖王を象徴する金輪宝を織り出した風通。丸文の輪宝があたかも車輪にも見える。中興名物「増鏡茶入」や「凡茶入」等の仕服に用いられる。
 
  
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  名物裂の文様 稲子金襴 (いなごきんらん) 【金襴】

 
五枚朱子地に金糸で鱗文を組み合わせて、大小の三角形を構成した模様。銀糸を用いた同形裂を、権太夫銀欄という。金糸で鱗文を組み合せ、中形三角形の連続文様としたものを、稲子金襴という。類似裂に「井筒屋金襴」「針屋金襴」「権太夫銀襴」などがある。
 
  

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  名物裂の文様 伊豫簾純子 (いよすだれどんす) 【緞子】

 
紺・白・萌黄などの縞柄の地に小石畳と宝尽くし文が織り出された裂。中興名物「伊豫簾茶入」に用いられたのでこの名がある。そのほか、「春慶口瓢箪茶入」、「是色茶入」の仕覆裂に用いられている。『古今名物類聚』には「小石畳緞子」として載っている。
 
  
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  名物裂の文様 印金 (いんきん) 【その他】

 
(しゃ)・綾・羅などの織物に、模様を彫った型紙を当て、漆や糊(のり)を薄く引き、その上に金箔・金粉を置いて模様を表したもの。中国元・明代に流行し、室町時代、日本に入って珍重された。表装地に用いられることが多い。
 
  

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  名物裂の文様 雲珠緞子 (うずどんす) 【緞子】

 
雲の形を珠状に文様化した雲珠文様からの名称で、上下に向きを変えて組み合わせ、段々に重ねた図柄。三段に色変わりの雲珠文様を持つ名物裂の雲珠緞子もある。
 
  
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  名物裂の文様 有楽緞子 (うらくどんす) 【緞子】

 
織田有楽(信長の実弟=長益)の所持と伝える裂。紺地に白で、網目に雲形を散らし、その内に飛鶴文を織り出した裂。同系の文様が数種あり、当時の中国での流行文様の一種と見られる。大名物「珠光文琳茶入」の仕覆裂に用いられている。
 
  
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  名物裂の文様 雲鶴金襴 (うんかくきんらん) 【金襴】

 
丹地に舞い降りる鶴と舞い上がる鶴、霊雲と宝尽し紋を織り出した金襴。画像は現在の加工品です。参考まで。
 
  
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  名物裂の文様 雲鶴緞子 (うんかくどんす) 【緞子】

 
線による雲と、飛翔する蔓を織り出した裂。縹(はなだ)地のものは、大名物「日野肩衝茶入」、薄白茶地のものは大名物「打曇大海茶入」のそれぞれの仕覆に用いられている。
 
  
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  名物裂の文様 雲鶴緞子 (うんかくどんす) 【緞子】

 
納戸・萌黄の地に細く織り出された雲と、図案化された鶴が表された裂。数種が知られ、古田織部は好んだものもある。地色は他に萌黄色がある。
 
  
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  名物裂の文様 雲鶴緞子 【卍字文入り】 (うんかくどんす) 【緞子】

 
飛鶴と雲そして菱形の中に卍と雲を表した縞が襷状に交差した文様。卍字文は本来梵字であったものが、後に漢字として採用され、吉祥万福の集まるところを意味するようになった。
 
  
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  名物裂の文様 雲山金襴 (うんざんきんらん) 【金襴】

 
紫地に七曜星に龍紋の金襴で、中国明代の製。逢坂金襴の色変り。大名物「雲山肩衝」、「残月肩衝」。中興名物「米市茶入」の仕覆裂に用いられている。本歌の裂は天明4年(1784)松山城で雷火のため焼失した。
 
  

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  名物裂の文様 雲頭連環亀背花章文錦 (うんとうれんかんきせかしょうもんにしき) 【錦】

 
前田家十三代藩主斉泰公所用の荒磯日の出陣羽織の裏裂として伝えられるものである。文様は六角形で繋ぎ文様としている。この文様と亀甲の結びつきは、かなり古くから用いられて、すでに平安時代には、子の文様を瑞祥文様として衣服、器物などに盛んに用いられていたとみられ、六角型繋ぎと亀背、延寿、瑞祥思想との結びつきは、古く根強いものである。この亀甲型繋ぎ文様に、唐花文を明るく中間色で展開させている。中国清代初期の渡来裂と伝えられている。いかにも大陸らしいおおらかな美しさに心打たれる名品である。
 
  
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  名物裂の文様 永観堂金襴 (えいかんどうきんらん) 【金襴】

 
京都禅林寺永観堂の九条袈裟が本歌とされる。袈裟に用いられたことに因む名という金襴。永観堂金襴と呼称される裂は難点かあるが、この裂は入子菱文の地に角龍文を規則正しく並べた図柄。
 
  
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  名物裂の文様 蝦夷錦 (えぞにしき) 【錦】

 
中国東北部(黒竜江下流域、沿海州)から樺太を経由して蝦夷地(北海道)にもたらされた中国製の絹織物の総称。近世の山丹交易(前述地域間の交易)において最も珍重された商品の一つ。赤地・紺地または緑地に金糸・銀糸などで、雲竜(うんりょう)文様を織り出したもの。今は京都の西陣でも作り、袈裟(けさ)地、装飾用に使う。えぞでにしき。(右は参考柄)
 
  
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  名物裂の文様 江戸和久田金襴 【木瓜形文】(えどわくた きんらんもっこうがたもん) 【金襴】

 
江戸の職工和久田某は愛用したものとも、和久田家の所蔵裂とも伝えられる。紺・茶などの縦縞に細い横島を入れ、その間に花鳥、獣を木瓜形に織り出した図柄。「和久田金襴」とはまた異なる裂である。
 
  
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  名物裂の文様 江戸和久田金襴 【丸文】 (えどわくた きんらんまるもん) 【金襴】

 
江戸和久田金襴には、金糸による文様が、木瓜形のものと、この裂のように鳥獣と植物を組み合わせた丸文のものがある。
 
  
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  名物裂の文様 鴛鴦金襴 (えんおう きんらん) 【金襴】

 
鴛鴦金襴とは、標色の地に蓮華の間に遊ぶ鴛鴦、鷺、鯉などをそれぞれ段替りに金箔糸で織り出したもの。本圀寺の日朗聖人へ授与され日蓮大聖人の真筆の曼荼羅の表装に用いられているところから「本圀寺金襴」ともいう。
 
  

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  名物裂の文様 遠州緞子(えんしゅう どんす) 【緞子】

 
江戸初期の茶人、小堀遠州の好みの裂の一つ。遠州緞子と呼ばれる裂は数種あるが、これは薄縹とラベンダー色の石畳文(市松)に、唐花文と七宝文、牡丹・椿・菊などを配したもの。中興名物「思河茶入」や「瀧浪茶入」などの仕覆に用いられている。
 
  
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  名物裂の文様 逢坂金襴 (おうさかきんらん) 【金襴】

 
中興名物「相阪丸壺茶入」の仕覆として用いられているところからの名称といわれ、「相坂金襴」とも書く。七曜星文散しに、丸龍文と霊芝文を配する、類似裂に茶地の「上柳金襴」や「雲山金襴」がある。
 
  
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  名物裂の文様 黄緞 (おうどん) 【錦】

 
黄緞とは錦の一種で、普通、地経に絹、地緯に木綿を使って織り上げている金襴・銀襴の総称。黄鈍・大緞とも書く。製作地・年代。 渡来とも明確でないが、日本に伝来している黄緞は、まずは中国で生産されたものと考えて大過ない。
 
  

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  名物裂の文様 大内桐金襴 (おおうちぎりきんらん) 【金襴】

 
各色の地に金糸で桐紋を織り出し、整然と並べた裂。類似裂に雷文や菱文を配している「嵯峨桐金襴」がある。また薄茶地に大柄な踊り桐文を唐草で繋いだ図柄の裂を大内桐金襴と呼ぶこともある。周防山口(山口県)の戦国大名である大内義隆(おおうち よしたか)が明に注文して織らせたものと伝えられる。
 
  
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  名物裂の文様 大内菱金襴 (おおうちびしきんらん) 【金襴】

 
入子菱の地紋に、金糸で牡丹あるいは牡丹唐草を織り出した金襴。周防山口(山口県)の戦国大名である大内氏の家紋を模様とし、大内義隆(おおうち よしたか)の所持に因む名。中興名物「岩城文琳」や中興名物「三輪山」の仕服に用いられる。
 
  

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  名物裂の文様 大蔵錦 (おおくらにしき) 【錦】

 
狂言師の大蔵太夫が豊臣秀吉から拝領したと伝えられる。五色の斜め石畳文を地紋とし、葉や花付きの瓢箪や法螺貝に波文が意匠化されて配される図柄。五色の石畳文に龍の丸文を配した裂を大蔵金襴という。
 
  
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  名物裂の文様 大鶏頭金襴 (おおけいとうきんらん) 【金襴】

 
大鶏頭金襴は名物裂の中では古金襴に属し、文様の大小によって大鶏頭、中鶏頭、小鶏頭と呼び分けられる。本作は蘇芳地(すおうじ)の大鶏頭で、地合いは三枚綾、文は金糸を全越に織り込み、地搦みで抑えている。
文様は鶏頭の花のような作土文様を並べた図柄であるが、鶏頭を元にしたものかは明確でない。葉の形状が鶏頭に似ているところからそう呼ばれたのかもしれない。鶏頭はわが国では万葉集や室町時代の連歌にも歌われ、また江戸時代前期の小袖の文様にもみられるように、古くからロマンティックな植物として親しまれてきた。
解説準備中
 
  
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  名物裂の文様 大坂蜀錦 (おおさかしょくきん) 【錦】

 
蜀金は逢坂蜀金金襴の別名といわれていて、本歌は日蓮上人の妙顕寺曼荼羅の表装裂とされている。金糸で織り出した丸文の中に水(水鳥)・蓮花文をあらわした裂で、朝日春慶「淀肩衝茶入」の仕覆裂に使用されている。大坂蜀錦には、この裂とは別に、縦縞で構成されているものがある。
 
  
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  名物裂の文様 織部緞子 (おりべどんす) 【緞子】

 
古田織部愛用の裂と伝わるもの。織部の好んだ裂としては梅鉢文と水の構成が多く、これは織部の定紋が梅鉢であったからともいわれる。
 
  
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  名物裂の文様 織部緞子 (おりべどんす) 【緞子】

 
利休門下の古田織部の愛用と伝わる。流水の地紋に梅鉢文を配したもの。文の崩れと流水文が趣深い。
 
  
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  名物裂の文様 織部緞子 (おりべどんす) 萌黄地織部緞子 【緞子】

 
萌黄の地色に金茶の色糸で流水の地紋と梅鉢文を織り出す。波涛の表現に違いがあるが、織部好みの裂はほとんど波と梅花の組み合わせという。
 
  
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