名物裂の分類
 
  呼び方による分類
  時代による分類物
  
  呼び方による分類
 
「名物」という言葉は、「古来有名な物として、また銘を付けて愛玩されてきた器物」という意味ですが、その道具自体の価値はもとより、所持者や伝来によって、別格のものとして分類するために呼ばれた言葉です。
 
  ◆ 大名物
 
名物の中でなお貴重な物の意味で『雲州名物帳』によって形成された枠組みではある。、また現在では名物中の上位を意味する場合もある。主に室町時代に足利将軍家が所持していた道具(東山御物)と、これに準ずる名物で名家に伝来したもの、利休時代に最高位に評価された茶入、などがこれに当たる。
 
  ◆ 名物
 
「大名物」に対しては、利休時代に著名であった道具を単に「名物」と称した。
 
  ◆ 中興名物
 
大名物、名物に次ぐ小堀遠州、松平不昧の選定になるもので『千家中興名物記』『三冊本名物記』では、大名物、名物を除いたものをいう。『遠州蔵帳』『麟鳳亀龍』ほか、諸家蔵帳には特定のものを中興名物と記載している。
 
  ◆ 名物並
 
『雲州蔵帳』では、中興名物に準ずるものと分類されている。

このページTOPへ

 
  時代による分類
 
  ◆ 極古渡り (ごくこわたり)
 
室町初期(足利義満の頃)に伝えられたものを「極古渡り」という。
 
  ◆ 古渡り (こわたり)
 
室町中期(足利義政の頃)に伝えられたものを「古渡り」という。
 
  ◆ 中渡 (なかわたり)
 
室町中期~末期のに伝えられたものを「中渡り」という。
 
  ◆ 後渡 (のちわたり)
室町末期~桃山に伝えられたものを「後渡り」という。
 
 
  ◆ 近渡 (ちかわたり)
 
室町末期~桃山に伝えられたものを「後渡り」という。
 
  ◆ 新渡 (しんと)
 
江戸中期(天和~元禄)につたえられたものを「新渡り」という。
 
  ◆ 今渡 (いまわたり)
江戸中期以降につたえられたものを「今渡り」という。
 

このページTOPへ