| 団扇(うちわ) |
| 涼風を起こす道具。日本の夏の必須アイテム。団扇には、扇子面と柄が別に作られる京団扇(都団扇)、太竹を割って作られ、柄と骨が一本の竹でできた平団扇(丸亀団扇)、一本の細竹から作られる丸竹団扇(房州団扇)などがある。いずれも職人の手によるもので、季節感のある絵柄も涼しさを演出してくれる。暑さをしのぐだけでなく、火をおこしたり、蝿などの虫を払うときにも便利。
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| 打ち水(うちみず) |
| 道路や庭に水を撒くことで、その水が蒸発するときに気温が下り、涼しくなる。同時に空気の対流が起こり、涼しげな風を呼ぶ。日中に打ち水をするとすぐに蒸発してしまい、かえって蒸し暑くなるので、朝夕の涼しい時間帯に行うのがポイント。魔除けの意味もあり、昔から庶民の間で行われていた夏の風習です。
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| 風鈴(ふうりん) |
| 涼を感じさせる夏の小道具。900年の歴史がある南部鉄の風鈴は余韻のある音、高音が涼やかな陶器の風鈴、優しい音を奏でる竹の風鈴、ガラスの音色が涼しい江戸風鈴など、さまざまな種類がある。涼感だけでなく、安らぎも与えてくれるのは、風鈴の音が小川のせせらぎや小鳥のさえずりなど自然界にある音と同じ高周波であるためとされる。風鈴は元来、中国では竹林に下げ風の向きやその音色で吉凶を占う道具だった。それが日本に伝わり、最初は魔除けの道具とされていたが、いつしか涼をとる夏の生活道具として定着した。
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| 簾(すだれ) |
| 細く割った竹や葦などを横に並べて糸で編み重ねた道具で、陽射しが室内に差し込むのを防ぎ、風通しを浴するために使う。本来は障子戸をはずして用いるものだが、窓の外側に吊るして使うケースも見られる。軒下に簾が下っている住宅を見ると涼しさを感じさせる。
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| 葦簀(よしず) |
| 簾と同様、照り返しや直射日光などの陽射しを防ぎ風通しを良くするために用いる道具。外部からの視線を遮る役割もあり、海の家や露天風呂の仕切り、屋台のラーメン屋などでも良くみかける。戸外に使うこともある。
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| 花氷(はなごおり) |
| 草花などを入れて凍結させた氷柱、氷塊。これを室内において涼をとる。料理の皿に溶いたりして観賞用に使うこともある。
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| 竹婦人(ちくふじん) |
| 竹で編んだ長さ1~1.5メートルほどの筒状の籠。抱き籠ともいう。寝苦しい夜や真夏の昼寝の際にこれを抱くと涼感を呼ぶ。籐や竹で編んだ籠枕も通気性が良く、涼しい昼寝の友。
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| 行水(ぎょうずい) |
| 元来、神事や法会の前に清水で体を浄める行のことで、鎌倉時代には仏教用語として用いられていた。江戸時代以降、盥(たらいや)桶に水を入れて体を洗う習慣が庶民に広まり、下町の夏の情景に。浮世絵の題材にも好んで使われた。屋外での行水はすっかり見られなくなったが、子どもたちがビニール製のプールで水遊びをしている風景にその一端が受け継がれている。
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| 夕涼み(ゆうすずみ) |
| 夕暮れから夜にかけて、水辺や川辺で涼をとること。江戸時代には隅田川の両国橋近辺に涼を求めて多くの人々が集まり、茶屋も軒を並べ、賑わいをみせたという。京都では今でも夏になると、鴨川沿いに川床が設けられ、夕涼みをしながら食事を楽しむことができる。
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