12ヶ月のきまりごと歳時記

SEPTEMBERr

≪長月≫

日ごとに涼しくなるころ
五感を研ぎ澄ませて
小さな秋を見つける

9 月

  【 暦 】
  【 祝う 】
  【 迎える 】
  【 味わう 】
  【 見る・聴く 】
  【 香る・感じる 】
  【 装う 】
  【 先人の知恵・挨拶】
  【 季語・その他 】

 

【二十四節気】

  【 暦 】

 二十四節気

 

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 ◆ 白露(はくろ)  
秋の気配が次第に色濃くなり、昼夜の寒暖の差が大きく、草木に朝露が付きはじめる頃の節気。新暦9月8日頃。燕が南に帰る支度をはじめる頃で、「燕帰る」「帰燕(きえん)」は秋の季語である。
  
 ◆ 重陽の節句(ちようようのせっく)  

旧暦9月9日の節句。五節句の一つで、菊の節句、重九(ちょうく)、お九日(おくんち)とも呼ばれる。陽数(奇数)が重なるめでたい日。古来中国ではこの日に小高い山に登り、長生きの効能があるとされる菊の花を浸した菊酒を飲んで不老長寿を願う風習があった。これが奈良時代に伝わり、平安時代には宮廷行事として定着。江戸時代以降、秋の収穫祭と結びつき「お九日」として庶民にも広まった。九州北部の秋祭りとして知られる「長崎くんち」「唐津くんち」などは「お九日」に由来するとされる。

  
 ◆ 秋分(しゅうぶん)  
二十四節気の一つで、旧暦9月23日頃。春分と同じくこの日に昼夜の時間が等しくなり、この日を中日として前後3日の計7日間が秋の彼岸にあたる。先祖の墓参りをし、邪気を祓うとされる小豆を使った「おはぎ」をそなえてたべる。
秋分の日は、1948年に「先祖を尊び、亡くなった人をしのぶ日」として法律で制定されました。この時期を境にして夏の暑さも終わりを告げ、秋が深まり始めます。
  
 ◆ 秋の社日(あきのしゃにち)  

雑節の一つで、秋分に最も近い戊(つちのえ)の日。春の社日と同じく土地の守護神を祀る日で、秋の社日には神様に初穂を供えて収穫を感謝する。

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  【 祝う 】
 
  
 ◆ だんじり祭(だんじりまつり)   

大阪の和泉、河内、摂津地域のほか、神戸、奈良など関西地方で行われる祭礼のこと。だんじりが登

場することが特徴の祭り。だんじりとは山車(だし)のことで「楽車」、「壇尻」とも書く。中でも大阪府岸和田市で行われる「岸和田だんじり祭り」は全国的に知られ、だんじりを曳いて走り、猛スピードのまま方向転換する勇壮な「やりまわし」が見どころ。江戸時代、岸和田城内三の丸稲荷神社に五穀豊穣を祈願した稲荷祭りが起源とされる。長らく新暦9月14日と15日の両日に行われていたが、2006年(平成18年)から敬老の日(9月第3月曜日)の直前の土日に催されるようになった。関西に秋の到来を告げる祭り。

  
 ◆ 敬老の日(けいろうのひ)  

9月の第三月曜日は「敬老の日」です。この前身になっているのは、1947年(昭和22年)兵庫県多可郡野間谷村の村長が提唱した「としよりの日」。昭和26年から全国的に祝われるようになった「年寄りの日」。これが昭和41年に「敬老の日」と改称され、国民の祝日のひとつとなりました。2002年までは9月15日でしたが、2003年から成人の日・体育の日と同様、移動祝日となりました。
敬老の日には、お年寄りのいる家庭では、お年寄りを中心に祝い膳を囲んだり、贈り物をさしあげるなどするのが一般的な祝い方です。また、敬老の日に忘れてはならないのは、老人と同居して、その面倒を見てくれている兄弟・姉妹、その配偶者への感謝です。老人への贈り物をするとき、一緒にねぎらいの気持ちを表現してあげたいものです。
 

  
 ◆ おわら風の盆(おわらかぜのぼん)   

富山県富山市八尾町で、毎年9月1日から3日にかけて行われる行事。雑節の二百十日(新暦9月1日頃)の頃は昔から台風がやってくる時期で、その被害を除けるための「風祭り(かざまつり)」が各地で行われた。風の盆もその一種といわれ、元禄時代、町の商人が藩主の前田利常から拝領した「町建て」のお墨付きを引越し先へ持って行ってしまっていたのが、町に返還されたことを祝って町民が3日間踊り明かしたのが起源とされている。おわら節の囃子に乗って、編笠に浴衣姿の艶やかな女踊り、はっぴ姿の勇ましい男踊りが行列を作り、胡弓の調べとともに静かに踊る。風の盆が終わると、この地にも秋が訪れる。

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  【 迎える 】
 
  
 ◆ 台風(たいふう)  

日本では、古くは野の草を吹いて分けるところから、野分(のわき、のわけ)といい、11世紀初頭の『枕草子』『源氏物語』などにもその表現を見ることができる。歌人の与謝野晶子は「台風」と題したエッセイに「台風と言う新語がおもしろい」「野分には俳譜や歌の味はあるが科学がない。」と書いた。

 
  
 ◆ そぞろ寒(そぞろさむ  

「冷やか」よりも強く、また、晩秋になって覚える寒さを表す「やや寒」(秋の季語)よりも柔らかに感じる秋の寒さ。秋の季語。本格的な冬の寒さ寂しさを迎える前の、覚悟の決め際の寒さか。

 
  
 ◆ 冬隣(ふゆどなり 

秋も終りになると、日差しも薄く弱くなって冬の到来が近いことを感じる。季節は日々少しずつ巡るが、ある日ついに冬の隣にやってきたかと思うようなとき。同じ頃の秋の季語に「冬近し」「冬を待つ」などがある。

  
 ◆ 菊の被綿(きくのきせわた 

旧暦9月9日の重陽の節句は中国で行われていた習慣で、日本には天武天皇(631~686)の時代に

は「菊花の宴」が、また平安時代には「重陽の節会(せちえ)」として、菊の花を愛でながら詩歌を詠んだり菊酒を酌み交わす宮中の年中行事が行われていた。
女官たちは、8日の晩に菊の花に真綿を被せ、翌朝に菊の香と夜露が染み込んだ綿で顔を撫で、無病息災と不老長寿を願った。これを「菊の被綿」という。被セル真綿の色は、女官の位によって、また菊の花の色によって変えたとも伝わる。平安中期の『枕草子』や『紫式部日記』にはその様子が描かれている。現在では各地の神社で、重陽の節会として綿を被せた菊を奉納し、無病息災を祈願している。

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  【 味わう 】
 
  

 ◆ 戻り鰹(もどりがつお)

 
9月から11月にかけて北から南下してくる鰹。「下り鰹」ともいう。マグロのトロのようにたっぷりと脂がのっているため、「トロかつお」とも呼ばれ、刺身をわさびでいただくのが通。主な漁場は黒潮と親潮がぶつかる宮城県金華山沖。一方、黒潮にのってくる鰹は「初鰹(はつがつお)」、「上り鰹」といい、江戸時代には油の少ないさっぱりとした味の初鰹が好まれた。鰹は赤みで傷みやすいため、当時は関東近海で獲れたものだけしか味わうことができず珍重された。また、古くから「勝つ魚」という字があてられた縁起魚で、干したり火を通すと硬くなることから「堅い魚=鰹」になったのも言われる。
 
  
 ◆ 秋鮭(あきじゃけ) 

産卵のために海から川に戻る途中、9月から12月に沿岸で獲れるシロサケのこと。多くは新巻鮭にされるが、この時期の鮭はくせがなく、石狩鍋やシチューなどにもよくあう。卵は美味しいイクラになる。4月から7月頃に獲れる鮭を「時不知(ときしらず)」といい、産卵期にはまだ早く、脂がのり旨味がたっぷり。ほかに、本来はロシアの川に戻るはずが北海道沿岸で獲れる「鮭児(けいじ)」(成熟していないので卵に栄養を取られないため脂がのっている)、本州の河川に戻る途中の鮭が北海道沿岸で獲れる「目近(めじか)」などがあり、それぞれ異なるあじわいがある。いずれも漁獲高が少なく高価。

  
 ◆ (くり) 

縄文時代からあったとされる秋の味覚。主成分は糖質で特にデンプンを多く含んでいる。たんぱく質やビタミン類(特にビタミンB1)、カルシウム、カリウムが豊富で、筋肉や骨を丈夫にし血流をよくする働きがある。焼いたり茹でたりして食べたり、栗ご飯にしたり、甘露煮、栗団子、くりきんとんなどお菓子の材料に用いられることも多い。丹波地方で採れる丹波栗は『日本書記』にも登場する風格ある栗だが、日本一の栗の産地は茨城県。

  
 ◆ (なし) 

9月から11月にかけて出回る秋の果物。代表的な梨には、最も多く生産されている幸水(こうすい)、程よい酸っぱさが甘味に深みを与える豊水(ほうすい)、収穫量が少なくねだんが高めの新水(しんすい)という品種があり、梨三水と呼ばれる。果皮に近いほど甘く、種に近くなるほど酸味があるのが特徴。およそ90%が水分で、体を冷やす効果がある。

  
 ◆ 秋のお菓子(あきのおかし) 

秋のお彼岸のおはぎにお月見の団子、皿に秋が深まると栗のお菓子に、リンゴや柿、サツマイモを素材にしたお菓子・・・。秋はお菓子がつきものの行事が目白押しで、しかもお菓子そのものが旬の季節。行事もお菓子もしっかり味わって、実りの秋を全身で感じたいものです。
ところで、旧暦9月9日の重陽の節句は菊の節句とも呼ばれ、平安時代の宮中では菊を愛で、菊の花を浮かべたお酒が飲まれていました。和菓子の世界ではいまでも不老長寿の象徴である菊にちなんだお菓子は大切にされ、慶弔用のお菓子をはじめ、菊慈童(きくじどう)や菊最中などが作られています。和菓子屋さんのショウケースに菊のお菓子が並び始めたら、その昔、宮中で優雅な秋の行事が営まれていたことを思い出してみてください。

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  【 見る・聴く 】
 
  
 ◆ 南の一つ星(みなみのひとつぼし)  

南のうお座にある一等星フォーマルハウトのこと。この名前は「魚の口」を意味する。中国では「北落師門(ほくらくしもん)」と呼ばれる。日本では秋の南の空には明るい星が少なく、この星だけがぽつんと見えるため、「秋の一つ星」「南の一つ星」といわれるようになった。

 
  
 ◆ 中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)  

旧暦8月15日(新暦9月中旬から下旬)の十五夜の月のこと。月見の祭事は平安時代に中国から伝わり、貴族たちは観月の宴を催した。また、中国で月餅を備える習慣が日本に伝わり月見団子となったとされる。農家では十五夜にススキや団子とともに収穫したばかりの芋を供えたので「芋名月」ともいう。日本には「十三夜」といって、旧暦9月13日(新暦10月中旬から下旬)にも月をめでる風習があり、豆や栗を供えることから「豆名月」「栗名月」と呼ばれる。十五夜の月見をしたら必ず十三夜のつき意味もするとされ、一方だけの月見は「片見月として忌まれた。

  
 ◆ (すすき)  

秋の七草の一つ。尾花(おばな)、萱(かや)ともいう。古くから愛され、万葉集でも「人は皆 萩を秋と言う よし吾は 尾花がすえを 秋とは言はむ」と詠まれている。日当たりのよい山野に自生し冬には枯れる。月見や収穫祭などでススキが飾られたのは、葉の切れ味が鋭く、魔除けや呪術的な力があるとされたため、萱として屋根を葺いたり、炭俵の材料ともなる。ちなみに、秋の七草とは、ススキ(尾花)のほか、葛(くず)、撫子(なでしこ)、女郎花(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)、桔梗(ききょう)。

  
 ◆ 彼岸花(ひがんばな)  

曼珠沙華(まんじゅしゃげ)ともいい、9月の中旬に道端などで赤い花を咲かせる。彼岸花という名は秋

の彼岸の頃に咲くことから。強い毒があり、過って食べると吐き気がしたり死に至ることも。墓地に多く植えられるのは虫除けのため。これらのことが「死」を連想させるため、死人花(しびとばな)、幽霊花(ゆうれいばな)、狐花(きつねばな)などの異名がある。

  
 ◆ 虫聞き(むしきき)  
秋になく虫の音色を愛でること。江戸時代には「庶民の五つの風流」として、花見、月見、菊見、雪見、と並んで楽しまれた。当時は谷中(東京)の道灌山(どうかんやま)や上野の不忍池などが虫聞きの名所で、多くの人々がゴザと酒を携え訪れたという。鈴虫や松虫、邯鄲(かんたん)は特に人気で、虫籠に入れて江戸の町を売り歩く虫売りも現れた。先人にならって秋の夜長には虫の音色に耳を済ませるのもいい。
 

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  【 香る・感じる 】
 
  
 ◆ 松宵草(まつよいぐさ)  
アカバナ科マツヨイグサ属の草花で、5月から初秋にかけて咲く。夕方になると鮮やかな黄色の花を開き、翌
朝には萎んで黄赤色に変る。俗に月見草とも呼ばれるが、実際の月見草は夕方になると白い花を開き、夜半から翌朝にかけて桃色に変わり萎む。両者とも江戸末期に渡来し、夜咲き花であるために混同され、月見草という名が広まったとされる。太宰治は『富嶽百景』の中で「富士には月見草が良く似合う」と書いたが、これは黄色い花を咲かせるオオマツヨイグサのことで、待宵草の仲間。いずれも夜に咲く花に特有の芳香を放つ。
  
 ◆ 柘榴(ざくろ  
こぶし大の球形の実をつけ、秋に熟すと実が裂けて、その中に淡紅色の透き通った種の粒が見える。イラン原産のザクロ科ザクロ属の木。実は甘酸っぱい味と香がする。子どもをさらって食べていた鬼神「可梨帝母(かりていも)」に釈迦が柘榴の実を渡し、「人が食べたくなったらこれを食べるように。味と香は人肉と同じだから」と諭したという伝説がある。果皮を乾燥させたものは石榴果皮(せきりゅういかひ)といい、煎じて飲むと下痢止めや虫下しになる。
  
 ◆ 無花果(いちじく  

8月から10月に紫や緑の実を付けるアラビア原産の落葉果樹。江戸時代に渡来した。甘い香があり、蓬莱柿(ほうらいし)、南蛮柿(なんばんがき)ともいう。「いちじく」の名は一日一つ熟すため、または1ヶ月で熟すために呼ばれた「一熟」から転じたとの説も。果実の中の赤いつぶつぶが花。不老長寿の果物とも言われ、実も葉も薬効と栄養価が高い。

  
 ◆ 涼風(すずかぜ  

夏も終りの頃に吹く涼やかな風のこと。「りょうふう」ともいう。夏の気圧配置(南高北低)が崩れ、吹いてくる。実際はまだ残暑厳しい日が続くが、熱風の中にちょっとした涼しさを感じた先人たちが、季節を先んじる気持ちを込めて呼んだ風の名前。

  
 ◆ 菊枕(きくまくら  
不老長寿の花、邪気を祓う花とされてきた菊。その菊の花を重陽の節句(旧暦9月9日)に摘み、乾燥させて枕につめたのが菊枕。好きな人の夢を見ることができるという言い伝えがあり、女性から男性に贈る菊枕には特別な意味があったとか。不眠や頭痛、老人性のかすみ目に効果があるといわれている。松本清張の小説に女流俳人の杉田久女をモデルにした「菊枕」と言う作品がある。

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  【 装う 】
 
  
 ◆ 準備中(じゅんびちゅう)  

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  【 先人の知恵・挨拶 】

 ◆ 秋の時候のあいさつ

 
9月は、初秋の候、清涼の候、秋涼のみぎり、秋の気配が感じられる頃、野山も秋色をおび、虫の声も美しく、スポーツの秋を向かえ、など。
手紙を書く際には時候のあいさつを使うときは、頭語である「拝啓」「謹啓」などに続けます。はがきの場合は頭語を省略してもかまいません。時候の挨拶は、目的や相手との関係によって、丁寧な表現や親しみやすい表現などを使い分けるのが肝要です。時候のあいさつの後に、先方の安否を気遣う文句を続けます。たとえば、ますますお元気でご活躍のこととお慶び申し上げます。皆様いかがお過ごしでしょうか、などです。時候のあいさつと安否を気遣う言葉が、一般に手紙やはがきの「前文」となります。
  

 ◆ 月の呼び名

 
 

   初月(はつづき)

 

新月 (しんげつ)、朔 (さく)とも呼ばれます。月が太陽と同じ方角になり,全く見えない。朔とは「遡る(さかのぼる)」の意味で、新月では月が全く見られないことから、三日月の背景にある二十八宿の星座を用いて、二日遡った場所が朔日(ついたち)とされたことに由来しています。旧暦8月初めのころの月の総称。(月齢0日頃)

   
   二日月(ふつかづき)

繊月(せんげつ)、既朔(きさく)とも呼ばれます。日没後1時間前後のまだ明るい空に、繊維の様に細い月が見えることがある。季語では旧暦8月2日の月をいいます。江戸初期には吉原などの遊里の勘定は「二日払い」と定められていたそうです。二日月は恐い夜だったようです。(月齢1日頃)

   三日月(みかづき) 

通常、新月後最初に出る月なので、「朏(みかづき・ひ)」という文字で表されることもあります。季語では旧暦8月3日の月をいいます。三日月には異称が多く、初月(ういづき)・若月(わかづき)・眉月(まゆづき)など(・・他多数)とも呼ばれます。異称の多くは最初に見える月だということで、もっとも印象深い月だったようで、三日月の鋭い形から霊力があると思われていたようです。(月齢2日頃) 

   上弦の月(じょうげんのつき) 

月入りのとき弓を張ったような形に見えるところから上弦の月・上の弓張り・玉鉤(ぎょっこう)ともいいます。玉鉤とは古代中国に儀式のとき革帯をとめた玉で作ったかぎのことだそうです。季語では旧暦8月7日の月をいいます。下弦の月を含めて弦張(ゆみはり)・恒月(ゆみはり)・半月・破鏡の異名もあります。
(月齢6・7日頃) 

   十日夜(とおかんや) 

上弦の月より幾分ぷっくりとふくらんだ月。旧暦の十月の十日には、「十日夜」と呼ばれる行事があり、観月の慣習もあった。(月齢9日頃) 

   十三夜(じゅうさんや) 

特に旧暦の9月13日の十三夜は「のちの月」「豆名月」「栗名月」として十五夜についで美しいとされ、宮中では月見の宴が催されたそうです。民間でも秋の収穫を感謝する祭りなどが行われるところが多い。(月齢12日頃) 

   待つ宵(まつよい) 

旧暦の8月14日の月。満月(望月)の前夜。幾望(きぼう)、小望月(こもちづき)ともいう。幾は「近い」の意味。名月を明日に控えて待ち望む宵。(月齢13日頃) 

   名月・十五夜・望月(めいげつ・じゅうごや・望月) 

十五夜は名月・中秋の名月等と呼ばれ酒宴を開き、詩歌を詠じ、すすきを飾り、団子・里芋・枝豆・栗等を盛り、神酒を供えて月を眺めた。「中秋」は旧暦8月15日のことで、7月を初秋・8月を仲秋・9月を晩秋と呼んだことに由来するそうです。二十四節気にも繋がりを持ちます。暦法が未熟だった頃、満月の日が年によって1日前後ずれることがあるため十四日・十五日・十六日の三日間を「もち月」としていた頃もあるそうです。また、十五夜・十三夜の片方だけを見ることを片見月として、忌み嫌う地方もあるそうです。
(月齢14日頃)
 

   十六夜(いざよい) 

十六夜(いざよい)は「いさよう」「いざよう」からきた言葉で、ためらう・遅れるの意味から、満月より月の出が遅く月がためらっていると見立てて名がついたとされています。特に旧暦8月16日の月をいいます。
(月齢15日頃)
 

   立待ち月(たちまちづき)

 

満月の二日後の月。月の出を,立ったまま,まだかまだかと待っていることから。または、立ちながら待っていても疲れないうちに出て来るなどの意味があるようです。季語では特に旧暦8月17日の月をいいます。(月齢16日頃) 

   居待ち月(いまちづき)

 

居待ちとは、座って待つことで十七日月よりさらに月の出が遅いため立って待っていたのでは疲れてしまうからという意味です。旧暦8月18日の月。(月齢17日頃) 

   寝待ち月・臥し待ち月(ねまちづき・ふしまちづき) 

臥し待ち(ふしまち)・寝待ちとは、旧暦8月19日の月。19日頃には満月の月の出から4時間程遅くなることから、もはや月は寝て待つということになる意味です。(月齢18日頃) 

   更待ち月(ふけまちづき)

 

夜も更けてからようやく出る月と言う意味で、季語では特に旧暦8月20日の月をいいます。(月齢19日頃) 

   下弦の月(かげんのつき)

 

満月から新月の中間に位置して、月入りの際に半月の弦が下向きとなることから下の弓張りともいわれます。16日以降は朝まで月が残るため「有明の月」とも呼ばれます。13・15・17・23日には月待ちという月を祭る行事が特定月に行われたようです(正月・5月・9月・11月など)。(月齢21~22日頃) 

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  【 季語・その他 】
 
  
季語(きご)  

9月の季語 :  初秋/新秋/新涼/清涼/孟秋 ・初秋の候・新秋のみぎり・秋の七草も咲きそろい など

 
  
誕生石(たんじょうせき)  

9月の誕生石 : サファイア

 
  
月の花(つきのはな)  
9月の花 : りんどう(竜胆)

花言葉は

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「あなたの悲しみに寄りそう」「誠実」「正義」「悲しんでいるときのあなたが好き」「貞節」「淋しい愛情」

 

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参考・引用 : 自由国民社「現代用語の基礎知識」より引用しています