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【 味わう 】 | |
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◆ 新蕎麦(しんそば) | |
蕎麦屋の「新蕎麦」の張り紙で秋の深まりを知る人も多いのでは。新蕎麦とは、秋に刈り取った蕎麦の粉で打った生蕎麦(きそば)のこと。「走り蕎麦」ともいう。蕎麦は初冬に刈り取るのが一般的だが、新蕎麦はやや青味を帯びた未成熟の状態で収穫するので、新鮮でみずみずしく風味が豊か。秋に獲れた新蕎麦を保存しておいて、翌年の大寒の頃(1月20頃)から2週間ほど清流に浸し、その後日光と寒風に晒して乾燥させたものを「寒晒し蕎麦(かんざらしそば)」という。こちらは甘味のあるまろやかな味わい。蕎麦は寿司や天ぷらと並ぶ日本の代表食で、食べるときに音を立てることが許される世界でも数少ないたべ物。蕎麦を食べることを「手繰る(たぐる)」というが、これは江戸時代から使われている粋な言葉。
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◆ 秋刀魚(さんま) | |
日本の秋の食卓を飾る馴染みの魚。文字通り秋を代表する味覚の一つ。価格も手ごろで「秋刀魚が出ると按摩が引っ込む」ということわざがあるほど栄養価も高い。10月頃に取れる旬の秋刀魚は脂がのっていて美味。塩焼きにして辛味の強い大根おろしでたべるのが一般的だが、8月下旬から9月頃に出回る「はしり」と呼ばれるものなら刺身などで生の秋刀魚が味わえる。 |
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◆ 秋鯖(あきさば) | |
昔は貴重なたんぱく源として台所をにぎわせた青魚の王様。産卵を終え、冬に備えて猛烈に餌を食べている9月から11月に獲れる鯖は丸々と太り、脂がのって美味。「鯖の生き腐れ」といわれるくらい傷みやすく、生臭みのもとになる成分が多いので、酒や味噌、生姜などで臭みを消すなど調理に工夫が必要。味噌煮や竜田揚げ、新鮮なものなら塩焼きや酢じめがおすすめ。
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◆ 松茸土瓶蒸し(まつたけどびんむし) | |
松茸の香りと食感があますところなくいただける土瓶蒸しは、シーズン中に一度は食べておきたい秋の一品。松茸の香りを生かすため、ほかの具材は香りのきつくないものが選ばれるが、スダチと銀杏は松茸と出汁との相性も良く、土瓶蒸しには欠かせない食材。土瓶蒸しや松茸ご飯など香りを楽しむ料理にはカサが開いているもの、天ぷらなど食感を楽しむ料理にはカサが開いていない松茸が使われる。
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