常緑樹の不変の緑の美祢である。年中葉の色が変わらないところから、永久に不変という意味であり、わが国ではたいてい松の緑のことになる。青味の強い濃い緑色になる。『新撰六帖』に「ときは色のちしほのみどり、神代よりそめてふるえの住吉の松(藤原信実)」とあり、常磐の松からきた色である。『染物重宝記』によると、かなり黒っぽい緑色を指している。緑が常に変わらない伝統色名では、他に千載緑があり、美色名にエバー・グリーンがある。 年中葉の色が緑の常緑樹のことを常盤木(ときわぎ)という。藍染の上に刈安で染める。 「ときはなる松のみどりも春くれば今ひとしほの色まさりけり」 ──古今和歌集・春上・二四(905) |