きもの用語辞典 

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・むかいつるもん [向鶴文]
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・むく [無垢]
表裏同色の共地で仕立た長着のこと。表着にも下着にも応用されるが、着用時が異なる。表着は婚礼や葬儀の際、白無垢として多く用いる。無垢の下着は額仕立の下着と違って晴れの時用いる。17世紀後半には無垢が多く、白無垢・緋無垢・黄無垢・浅葱無垢など色で表した無垢。18世紀後半には小紋無垢が多く着用された。小紋無垢というのは江戸の呼称で、京阪では「引き返しの下着」といった。白無垢に限って江戸・京・大阪とその呼称の区別がなかった。女の無垢は、三都とも白が共通。
   
・むさしのもん [武蔵野文] 
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・むし [蒸し]
手描きや型染で印捺された染料や色糊は、そのままでは未染着であるため、水蒸気をあてて染着(染料を発色させると同時に生地に定着させる)させること。
     
・むじ [無地]
一般に無地といえば、柄物に対して柄のない織物をいう。すなわち模様糸を使って色彩のある文様を表したもの、また「型染」や「柄染」を使って模様を染めたものに対し、糸または生地の地色だけの一色のものを無地と称する。さらに「紋織」によって色彩のない紋織模様を表したもの、あるいは紋織の白生地を一色に染めたものを「紋無地」といい、紋織のないまったくの無地を「素無地」と呼ぶこともある。「無地御召」「無地縮緬」など、この語を冠して呼ぶ織物はすべてこの類である。
   
・むじおめし [無地御召]
無地とは染めてない自生地、あるいは文様をつけない一色染のことをいう。したがって無地御召というのは、色無地(一色染)に織られたものである。なお、この無地御召に捺染したり、刺繍をほどこしたりしたものを「加工御召」という。
 
・むじしゃ [無地紗]
文様のない紗。寒紗とも言う。
   
・むじぞめ [無地染め]
被染材を単色で染めること、あるいは染めたもの。
    
・むじなきくもん [狢菊文] 
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・むしぼし [虫干し]
被服管理の一方法。衣類を陰干しし、風にあて、カビ、虫、湿気の害を防ぐ事。土用中に行うので土用干しともいう。10月の天気の良い日にする秋干しや、一年中で一番空気の乾燥している1月ごろに寒干しすることもある。現在では、夏は害虫の産卵期にあたるため秋に主として行われる。衣類ばかりでなく衣装箱などの容器類も同時に干す。
    
・むすびおび [結び帯]
蝶結び帯の略称である。普通一般には幼児用の「付け帯」で蝶結びの形に結びあげたものをいう。鈴や手毬や金具など、各種のアクセサリーをつける。七五三の頃や、正月などに需要が多い。
  
・むすびふみ [結び文]
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・むせんゆうぜん [無線友禅]
友禅染の一種。糸目糊の防染をしないもので、糸目(本友禅)友禅に対しての名称。筆や刷毛に染料をつけて直接、生地に文様を描き染める技法。合成染料の出現と発展で急速に用いられるようになった。柔らかい印象の表現になる。濡れ描きともいう。
   
・むそう [無双]
表地を裏地に引き返し、表裏とも同じ布で仕立てる袷の仕立て方。
    
・むそうおり [無双織]
固地綾二丁織の一種。二本目の緯糸(経糸の色)で緯糸一本目の柄糸を伏せる織り方をしたもの。表の地色は経糸の色のみ見え、裏は地色が裏文の色一色に見える。たとえば経紫緯白の指貫の場合、通常の固地綾だと地色が白ばんだ紫になるが、無双織ならば地色は紫で白ばまない。上文が鮮やかに見えるので、近年、指貫や狩衣に多く使われる。地紋+上紋の狩衣地はほとんどこの無双織である。
  
・むそうじたて [無双仕立]
袷仕立の一種。表地を引き返して裏まですべて同じ生地で仕立てること。和服としてきわめて贅沢な仕立て方。引き返し仕立は長着に応用される仕立て方で、無双仕立は羽織に用いられる。袷の長襦袢は裾を引き返しに仕立にし、袖を無双仕立にする。無双羽織は表地を折り返し、後身頃の裾を輪奈にして、前下りのところで裁って縫い合わせる。無双袖は袖丈の4倍に縫代を加えた寸法に裁ち長い物を畳んで縫う。
       
・むそうばおり [無双羽織]
袷羽織の一種。ふつうは表地と裏地を使って仕立てるが、無双羽織は表地だけを用いたもの。裏に当る部分に特別な染模様、織模様を施し、特殊な仕立方をした豪著な羽織。男物紋付に多く用いられた。今日ではほとんどみられない。これをやや簡略にしたものが額裏の羽織。
    
・むそうばかま [無双袴]
「両面織」の「袴」で、裏の部分を朱子織にして、すべりをよくして、着たり脱いだりを便利にしたもの。表地が縞のものを「縞無双」、紋織のものを「紋無双」と称する。
   
・むつみ [六つ身]
子供用長着で、身丈の6倍の長さで、身頃と衽および衿をとり、まったく本裁ちと同じ方法で仕立てる。
    
・むらくもしぼり [村雲絞り]
絞り染めの一種。染め上がりが雲形になるところからこの名があるが、雲形絞り、円柱絞り、棒村雲絞りとも言う。筒状に縫った布を、直径6センチ、長さ70センチくらいの棒に通し。これにシワやひだをつけて、上からきつく締め付け、棒につけたまま、染液に浸す技法。有松で考案された。
  
・むらご [斑濃・村濃]
ぼかし染めの方法のひとつ。全体を均一にぼかすのではなく、同色でところどころに濃い色をおき、その周囲をだんだんと薄くなるようにぼかして染める技法。
  
・むらやまおおしまつむぎ [村山大島紬]
織物の名称・東京都/立川市、青梅市、昭島市、東大和市、武蔵村山市他、埼玉県/飯能市他
村山大島紬の始まりは、江戸時代後期と言われています。1920年頃、正藍染め(しょうあいぞめ)による錦織物の「村山紺絣」と玉繭による絹織物の「砂川太織(ふとおり)」の2つが合流して、絹織物としての村山大島紬が生産の中心となりました。この素晴らしい品質や丈夫さが高く評価され、東京都指定無形文化財として認められています。
   
・むらやまこんがすり [村山紺絣]
織物の名称
正藍染め(しょうあいぞめ)による錦織物の「村山紺絣」、村山紺絣は、文化年間(1814)に創作されたものが村山地区で、元治・慶応(1865)には既に産地化していた同地域での代表商品とし、明治中頃から大正の初めにかけて全盛を極め、一時は、久留米、伊予絣をしのぐ勢いにあった。しかし、技術的幼稚さから敬遠され、衰退していった。
 玉繭による絹織物の「砂川太織(ふとおり)」と村山紺絣の技術的融合が、村山大島紬を生みだすのだが、それまでの過程として縞銘仙、乱絣、締切、経無地絣などが開発され、大正8年以降につむぎの原型が形成されていった。
 

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この用語集は日本繊維新聞社「新語服に強くなる本」アシェット婦人画報社「きもの用語事典」等から引用しています。